北海道自治研ブックレットNo. 1
市民・自治体・政治

再論・人間型としての市民
松下圭一 著
公人の友社
定価(本体1,200円+税)
2007年8月22日発行
市民・自治体・政治 今回の当研究所における公開講演のテーマ決定にあたって、理事長をされている神原勝さんから、40年前、1966年の『思想』6月号にのせた「市民的人間型の現代的可能性」をふまえ、人間型という《市民》の位置づけについての再論というかたちで、市民概念の今日的論点についてのべるようにとの、強い要請がありました。
今日は、「市民の時代」といわれていますが、なぜ国の政治では財政が破綻するとともに劇場政治といわれるような幻惑状況がうまれるのか、また、市民のみじかな政治といわれる自治体でも、なぜ自治体破産という問題がひろく顕在化したのか、という日本の政治緊張について考える機会をいただいたわけです。
北海道でみても、自治の誇りをもって新課題の法務・財務にとりくむ先駆型の市町村が輩出するにもかかわらず、国依存の甘えによる補助金がらみなどで財政破綻する市町村がみられます。ついで北海道庁も、国の北海道開発庁→国土交通省北海道局があるため、戦後も自治体として自立できず、2007年で道債残高5.6兆円、道民一人あたり約99万円の借金、しかも自転車操業にあたるのですが借換債が急速にふえ、また財源不足のため2008年度についての開発予算の概算要求をさしあたり「空欄」とするなど、道の政治・行政も危機状態にあります。この事態は歴代の知事、議会、職員幹部の責任ですが、従来のような小刻みの手直し改革にとどまるようでは、北海道沈没となるでしょう。
としますと、あらためて、市民という問題設定を基軸に、今日の危機状況にある自治体のみならず、財政破綻の国のあり方までふくめて、転型期日本の政治状況全体について、皆さん方とともに考えざるをえないことになります。このため、今回、テーマを『市民・自治体・政治』、副題は「再論・人間型としての市民」としました。
(本文冒頭より)

目 次

[1] 転型期日本と市民の問題性

[2] 日本における市民活動の出発


[3] 都市型社会の規範人間型

[4] 市民による政治現実の転型

[5] マス・デモクラシーの多元・重層化

[6] 政治文化としての市民自治

[7] 「中進国」日本における市民成熟




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